○月×日
久しぶりにスズが来た。やっぱり姿は変わらない。いつもの通り芸をしてくれる。村に滞在している間は順番に別の家に泊まって、物語を話してくれる。今日は私の家の番だった。来てくれるようになってしばらく経つけれど、相変わらず姿も性格も変わらない。だけど私は人間だから、私のほうは年を重ねるごとにおいていく……。なんだろう。泊まってもらって幸せなはずなのに、何でこんなに不安なんだろう。
○月×日
好きだ。好きだよ。でも、スズは前に告白したあの子を断っていた。あの子のほうが私よりずっと可愛いのに、断っていた……。告白なんて、できない。怖い。
○月×日
やっぱり、ふられた。でも、スズは笑ってくれた。ありがとうって言って。笑って……。…………どうしたら、スズは私を見てくれる?
○月×日
スズが私を見てくれるための方法、教えてもらった。コレで見てくれるのかな……。
○月×日
旅に出るって言ったスズを家に招いた。美味しいご飯を最後に、って。ふったことを気にしてたのか、スズは来てくれた。疲れてたのかな? 転寝して、それで……目が覚めたあとも、スズはここに留まってくれた。旅に出るのは止めたみたい。これで、ずーっとずーっと一緒。
○月×日
スズの杖は綺麗だ。だから見せてもらうことにした。スズはうとうとと転寝。時々苦しそうにする。何かあったのかな? 楽になればいいな、って思って量を増やした。
○月×日
量を間違えたみたい。口直しに別のを飲ませてあげた。ごめんね。
今日は一緒に本を読んだ。外に出られればいいんだけど、出ちゃダメ。一緒に歩きたいけど、外に出ないのがスズのためだもの。
○月×日
この頃はスズが苦しそうにしている。背中をさすっても楽にならないみたい。私に苦しそうな顔見せちゃうぐらい辛いのかな。大丈夫かな。
相談した。量を増やせば良いって教えてもらった。
○月×日
スズが笑ってくれなくなった。量は増やしたし、コレでいいはずなのに。私を見ると怯えたような顔をする。私は誰よりもスズの味方なのに、どうしてだろう? スズのことが好きなのに、どうしてわかってくれないんだろう?
○月×日
スズの話を外で聞いた。何でだろう? もしかしてスズ、私に黙って外に出たのかな? スズに聞いたけど答えてくれなかった。
○月×日
スズ。スズ。どうしてわかってくれないの? 私はこんなに好きなのに。どうして笑ってくれないの? 私はこんなに好きなのに。明日スズに聞いてみよう。聞いてみてダメだったら、答えてくれなかったら……。
ここで日記は途切れている。